久しぶりに読書している。

最近の読んでいる本について。あるいはその他のこと。

「レ・ミゼラブル(下)」 ヴィクトル・ユゴー 角川文庫

やっと読了。長く感じたが、これでも本来の作品をかなり凝縮したものなのだそうだ。いったいどんな結末になるのかと思っていたが、予想以上に感動的なものだった。

 

ジャン・ヴァルジャンが逃亡生活を送る中、共に生活する養女ともいうべきコゼットは、マリウスという青年と逢引きをするようになる。ジャンとコゼットがイギリスへ引っ越すという話を聞いたマリウスは絶望し、政治的暴動の中で命を捨てようとするが、それを知ったジャンは大怪我を負ったマリウスを奇跡的に救い出す。

 

コゼットの恋に対しても、当初ジャンはマリウスへの憎悪を感じる。様々な場面で、彼は負の感情や自己保存に苦しめられるのだが、結局は奮起して自分の良心に従い行動する。逮捕されることも覚悟で宿敵ジャヴェールの命も救う。

 

コゼットとマリウスは結婚し、すべてがうまくいくかというところで、ジャンはマリウスに自分が前科者だと打ち明け、苦しみに耐えながらコゼットと距離を置いて会わないようにする。精神的支柱を失ったせいか、一気に衰弱し寝たきりになってしまう。

 

一方で、コゼットの元養父であり、かつてジャンを陥れようとした悪党がマリウスのもとを訪れ、ジャンの秘密を売ろうとするが、逆にマリウスは自分がジャンに命を助けられたことや、他にも数々の高潔な無私の行為を知ることになる。

 

最後にジャンが死ぬ寸前、コゼットとマリウスが駆けつけ、お互い心が通じ合ったところで終わる。

 

そんなお話だった。現実離れした設定ではあるが、面白かった。