久しぶりに読書している。

最近の読んでいる本について。あるいはその他のこと。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「カラマーゾフの兄弟(中)」 ドストエフスキー 新潮文庫

よくわからない、やや退屈な上巻から一転して怒涛の展開へ。あまり長さを感じることなく読み終えました。 長老の死からアリョーシャ闇落ちかと思わせつつ立ち直り、そしてドミートリイは愛する女性のために奔走するも、生来軽率で暴力的なため、成り行きで小…

「自選 谷川俊太郎詩集」 岩波文庫

とても有名な人なので、一回読んで見ようと購入していた本。ちびちびとしか読み進められなかったので時間がかかった。 作風のつかめない人、という印象である。子供向けに全部ひらがなで書いた詩もあるし、いろはかるた風のもの、長い散文もあった。わけのわ…

「幸福論(第二部)」 ヒルティ 岩波文庫

大変に濃い内容で、気になる所をノートに控えながら読んでいたらものすごく時間がかかってしまった。 世の人の考える幸福とはかなり乖離があり、最終的に神とかキリストとかの話題を抜きにしては語れなくなっている。一般的な人生論と異なり、宗教色がものす…

「舟を編む」 三浦しをん 新潮文庫

2012年本屋大賞受賞作。実はあまり期待していなかった。辞書を作る話が面白いのかな、と。ところが、予想に反して極めて速いスピードで読み終えてしまった。 途中、まじめ君とかぐやさんがスムーズにつきあいだした箇所は、どう考えても納得いかんぞと思いな…

「砂の女」 安部公房 新潮文庫

ホラーのような小説だった。情景がなかなか思い浮かばなかったが、深い穴ぼこのような場所にある家に、騙されて囚われてしまった男の話。しかも常に砂まみれで生活しなくてはならないし、そこにいた女は生気がなく外に出ようという気がなかった。 読んでいる…

「ツナグ」 辻村深月 新潮文庫

死んだ人間に一度だけ会うことを仲介する「使者(ツナグ)」。それについてはファンタジーであるが、もしそういったことができたとしたら人は誰を呼び出し、どう感じるのかといったことについては細やかに描写されていて、違和感を感じなかった。 特に印象的…

「雪国」 川端康成 新潮文庫

没後50年ということで新装版なのだそうだ。確かに令和四年六月一日新版発行とある。 この本も、タイトルの他は出だしの一行しか知らなかった。 古い作品なので、用語にわからないものはあるが全体としてとても読みやすい。駒子や葉子といった登場人物の女性…

「幸福論 (第一部)」 ヒルティ 岩波文庫

アランの「幸福論」、ラッセルの「幸福論」と並び称されることのあるヒルティの幸福論。他の2冊とは一線を画し、極めて宗教色の強い著作となっていた。 ギリシャ哲学やキリスト教の話が続く。結局は、キリスト教の原点回帰、神を信ずることにより内的成長を…

「カラマーゾフの兄弟(上)」 ドストエフスキー 新潮文庫

「世界文学屈指の名作」というキャッチフレーズに惹かれて、とりあえず頑張って上巻は読み終わりました。正直、現時点では「何が何やら・・・」という感想です。 素っ頓狂な道化の親父、狂暴な放蕩者の長男、理性的だがやや冷たい印象の次男、信心深く誰から…

「未来の年表」 河合雅司 講談社現代新書

日本の人口減少がネットニュースでも毎日取り上げられるようになって、よく引用される本書を購入してみた。 世に出たのが2017年6月、7年も前のことになる。実はコロナの起きる前なので、その影響が加味されていないのが残念ではあるが、本の最初の方は検証可…

「悲しみの秘義」 若松英輔 文春文庫

書店でたまたま見かけて購入。元は日本経済新聞に連載されたエッセイとのこと。 愛する人を失った悲しみ、などを中心にしていろいろな作家や詩人の文章の奥にある思いを読み解いたり、さらなる思索へといざなってくれる本。 こうした文章は、多くの若い人に…

「2025年日本はなくなる」 内海聡 廣済堂出版

なかなかびっくりするようなタイトルを書店で見かけたので購入。著者は医師とのこと。いわゆる陰謀論かいなと思ったが(シンボリズムに言及したあたりは胡散臭い)、説得力のある部分も多々あった。 日本はおかしい、と日々強く感じているのだが、具体的に言…

「ゲーテ詩集」 ゲーテ 新潮文庫

買っておいた詩集のうちでは、かなり読みやすかった一冊。恋の歌が多かった。 訳した人のうまさもあるのかもしれないが、「ようわからん」という詩が少なかった気がする。あるいは、明るい感じがするからか。読むのは苦でなかった。 あと何冊か詩集が残って…

「汚れつちまつた悲しみに・・・・・・」 中原中也 角川文庫

書店でたまたま目に入ったので購入。表紙がおそらく「文豪ストレイドッグス」のキャラクターなので妙に目立っていた。 作品は意味がよくわからないものもあるが、全般に美しく感情表現が豊かなものだと感じた。30歳で亡くなったとのことだが、早熟で女性をよ…

「赤と黒 (下)」 スタンダール 新潮文庫

衝撃的な本作もようやく読了。実際の事件をモデルにしたものだそうだ。 上巻でのレーナル夫人との不倫が終わりを告げ、今度は大貴族ラ・モール家の秘書として雇われたジュリアン・ソレル。業務においては才能を示し信頼を得るも、田舎の平民出身のため貴族の…

「アンナ・カレーニナ」 トルストイ 光文社古典新訳文庫

やっと読み終わった!超大作。単なる不倫のお話というだけではない、いろんなものが詰め込まれた小説でした。 登場人物がだいたい皆美形、金持ち、有能、上品な貴族という少女漫画のような設定がありつつも、当時のロシアの社交界、政治、農業、宗教、哲学と…