久しぶりに読書している。

最近の読んでいる本について。あるいはその他のこと。

「舟を編む」 三浦しをん 新潮文庫

2012年本屋大賞受賞作。実はあまり期待していなかった。辞書を作る話が面白いのかな、と。ところが、予想に反して極めて速いスピードで読み終えてしまった。

 

途中、まじめ君とかぐやさんがスムーズにつきあいだした箇所は、どう考えても納得いかんぞと思いながら、まあ所詮小説だからな・・・とあまりこだわらないことにした。読み終わってもやはりその部分には無理があったような気はするが。

 

ただ、まじめ君のラブレターの中身を、10数年後に編集部で女性社員が見つけることになるのだが、そのくだりは笑いが止まらなかった。久しぶりに腹の底から笑ったと思う。最後に辞書が完成し、初期からかかわっていた学者の遺した手紙には感動を覚えた。

 

本当に良いものの背後には、人生をかけて仕事をしている人の努力がある。現代日本でだんだん失われている気がするそうした美点も、まだまだ人目につかないところで残っているに違いない。