久しぶりに読書している。

最近の読んでいる本について。あるいはその他のこと。

日本文学

「舟を編む」 三浦しをん 新潮文庫

2012年本屋大賞受賞作。実はあまり期待していなかった。辞書を作る話が面白いのかな、と。ところが、予想に反して極めて速いスピードで読み終えてしまった。 途中、まじめ君とかぐやさんがスムーズにつきあいだした箇所は、どう考えても納得いかんぞと思いな…

「砂の女」 安部公房 新潮文庫

ホラーのような小説だった。情景がなかなか思い浮かばなかったが、深い穴ぼこのような場所にある家に、騙されて囚われてしまった男の話。しかも常に砂まみれで生活しなくてはならないし、そこにいた女は生気がなく外に出ようという気がなかった。 読んでいる…

「ツナグ」 辻村深月 新潮文庫

死んだ人間に一度だけ会うことを仲介する「使者(ツナグ)」。それについてはファンタジーであるが、もしそういったことができたとしたら人は誰を呼び出し、どう感じるのかといったことについては細やかに描写されていて、違和感を感じなかった。 特に印象的…

「雪国」 川端康成 新潮文庫

没後50年ということで新装版なのだそうだ。確かに令和四年六月一日新版発行とある。 この本も、タイトルの他は出だしの一行しか知らなかった。 古い作品なので、用語にわからないものはあるが全体としてとても読みやすい。駒子や葉子といった登場人物の女性…

「コンビニ人間」 村田沙耶香 文春文庫

第155回芥川賞受賞作。薄い本で、読みやすい文章。 恐らく発達障害?のある女性主人公は、コンビニでしか働くことができず、大学時代から18年同じコンビニに勤務している。いわゆる「普通」の人生を送る友人や身内から圧力を感じながら生きている。 主人公の…

「草枕」 夏目漱石 オリオンブックス

「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」 とこういう出だしで始まることは知っていたが、いったいどんな話なのか全く知らないので初めて読んでみた。 明治の文豪、…