久しぶりに読書している。

最近の読んでいる本について。あるいはその他のこと。

「赤と黒(上)」 スタンダール 新潮文庫

やっと上巻読み終わった。面白いけど、けっこう長い。不倫&成り上がりの一直線のストーリーかと思っていたが、主人公が純粋な悪人というわけでもなく、この先の展開も楽しみだ。

 

貧しい家に生まれたジュリアンは、才気煥発の美少年で家族と折り合いが悪く、ひどい扱いを受けていた。しかし学問ができるという評判が伝わり、金持ちの家に家庭教師として雇われる。

 

その家の夫人は3人の子持ちだが純朴で美しく、ジュリアンは出世欲と野心を胸に秘めてこの夫人を誘惑することに成功する。

 

ただこのジュリアン、完璧超人というわけではなくけっこうへまをするし、野望に燃えていても人の情に感激して泣いたり、夫人のことも心から愛するようになったりと悪になりきれないところがあり、プライドが高く下品さや嘘を嫌う性質もある。

 

結局不倫は街中のうわさになり、ジュリアンは遠く離れた神学校に入ることになるのだが、いろいろ思惑の錯綜する中、そこを出てまた夫人にこっそり会いに来て・・・という場面まで。

 

下巻はこれからだが、不幸になる結末しか予測できないところである。不倫って、ある期間はバレずに済むかもしれないが、最終的には当事者にも周りにもろくな結果を生まないような気がする。